開業1ヶ月目は時給400円だった。キッチンカー4ヶ月の売上全公開と、コロナで止まった5ヶ月目
キッチンカー開業4ヶ月の月別実データ。初月は8日出店で売上6.4万円・利益2.8万円(本人いわく時給400円)、4ヶ月目には売上38.4万円・利益33.4万円まで改善。最高日商5万円。しかし5ヶ月目、コロナ禍で出店先が消えた——立ち上がりと脆さの両方が記録された稀有な公開データ。
執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)
月別の実データ
| 月 | 売上 | 利益 | 出店日数 |
|---|---|---|---|
| 12月(開業) | 63,500円 | 28,275円 | 8日 |
| 1月 | 273,780円 | 165,280円 | 17日 |
| 2月 | 424,370円 | 309,520円 | 17日 |
| 3月 | 383,650円 | 333,828円 | 16日 |
- 最高日商: 50,800円(道の駅もてぎ・約4時間で87個販売)
- 経費構造: 出店料は売上の15%前後、原価25〜30%、車両ローン月54,000円
- 5ヶ月目: コロナ禍でイベント・出店先が消滅し、休止
数字の裏を読む
初月の総括を本人はこう書いている——「利益2.8万円。1日あたり3,500円、時給にすると400円くらい」。そこから3ヶ月で利益が12倍になった要因は、メニューの歩留まりよりも出店場所の開拓だ。道の駅のような集客力ある場所を確保できるかが日商を決め、それは実績と信頼の蓄積を要する。
そして4ヶ月目に月33万円の利益が出た直後、外部要因(コロナ)で事業自体が止まった。固定費(車両ローン月5.4万円)は出店できなくても出続ける。
この事例が教えてくれること
オフライン事業の立ち上がりは「場所の獲得曲線」で決まる。 腕前や商品はほぼ同じでも、12月と3月で利益が12倍違う。飲食移動販売の実力とは調理ではなく、良い出店枠を取る営業力と人間関係だった。
フロー型×固定費ありの構造は、外部ショックに最も弱い。 ストックフォトが放置でも年5万円入り続けたのと対照的に、キッチンカーは自分か市場が止まればゼロになり、ローンだけが残る。せどりの「動けない月は売上が落ちる」のさらに極端な形だ。
それでも初期投資は数百万円で済み、月33万円の利益までは4ヶ月で到達できた。 飲食店開業(内装だけで数百万〜)との比較でリスクが小さいのは事実で、数字はその「小さく試す」価値を裏付けている。
「止まっても出続ける金」の設計
この事例で最も重い数字は、売上でも利益でもなく車両ローン月54,000円だ。出店できない月もこれは出続ける。月33万円の利益が出ている間は誤差だが、売上ゼロの月には生活費と並ぶ固定支出になる。
オフライン事業を小さく始めるとき、検討すべきは「儲かるか」より先に「止まったとき何が残るか」だ。キッチンカーの場合、(1)車両は中古市場で売却できる(完全な沈没費用ではない)、(2)営業許可・出店実績・出店先との関係は再開時に活きる、(3)ただしローンが残債として残る——という構造になっている。初期投資を「失う額」ではなく「止まったときの月額負担」で見積もると、この種の事業のリスクは正確に測れる。
数字を公開してくれたことの価値
飲食系の開業情報は「夢を売る側」(フランチャイズ本部・車両業者)が発信源になりがちで、初月から儲かる想定の収支計画が出回る。本件のような「初月は時給400円だった」という実データは、その対極にある一次情報だ。3ヶ月で利益12倍という改善曲線も含めて、開業を検討する人が最初に読むべきは、成功者の自慢でも業者の試算でもなく、この種の月次実録である。
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出典
本記事は上記の公開情報の要約と独自分析です。詳細は必ず一次情報をご確認ください。