孤高の旅人、開設約1年の雑記ブログで月50万PV・月30万円。「カテゴリ内で特化する」という戦い方
釣り・アウトドア・旅行の雑記ブログ「孤高の旅人」を運営するヨネスケ氏は、開設約1年で月間50万PV・月30万円に到達したと公開。1PVあたり約0.6円。「雑記でもカテゴリ単位で徹底的に網羅すれば特化ブログに対抗できる」という運営論を、自身の数字とともに記録している。
執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)
月商30万円は、月商を公開している掲載259件のうち下から23%。掲載全体の月商中央値は225万円です(データ集計)。
「雑記ブログは収益化しにくい。やるなら特化ブログ」。個人ブログ論では定番の助言だが、その通説に自分の数字で反論した記録がある。釣り・アウトドア・旅行を扱う雑記ブログ「孤高の旅人」の運営者ヨネスケ氏は、開設から約1年で月間50万PV・月30万円に到達したと自身のブログで公開している(2018年10月時点)。
月50万PVで月30万円ということは、1PVあたり約0.6円。後述するようにこの単価自体は広告メディアの相場圏内で、驚くような効率ではない。この事例の読みどころはむしろ、「複数ジャンルを扱いながら、どうやって1年で50万PVまでアクセスを積んだか」という設計の部分にある。
さらにこの記事には後日談がある。記事は2022年2月に更新されており、そこには「当初のPVはそのままに収益率を増加させることに成功した」という追記が入った。PVを増やすフェーズから、同じPVでの収益単価を上げるフェーズへ。個人ブログの成長が二段階に分かれることを示す、教科書的な経過だ。
数字と体制の整理
本人の公開情報から確認できる範囲を並べる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 到達点 | 月間50万PV・月30万円(開設約1年、2018年10月時点) |
| PV単価 | 約0.6円(単純計算) |
| 収益源 | ASP経由のアフィリエイト |
| ジャンル | 釣り・アウトドア・国内外の旅行 |
| 体制 | 1人 |
| 基盤 | WordPress(サーバーは当初さくら、のちエックスサーバー) |
| 追記 | PVを維持したまま収益率を改善(2022年2月更新時) |
「雑記」と「特化」の二択を崩す
ヨネスケ氏の運営論の核は、雑記か特化かという二択の立て方そのものを崩すところにある。ブログ全体としては複数ジャンルを扱う雑記でも、カテゴリ単位では徹底的に情報を網羅して「特化」する。「このトピックならこのブログで全部わかる」という状態をカテゴリごとに作れば、検索エンジンからも読者からも専門サイトとして扱われる、という理屈だ。
具体的な手順も明かされている。サジェストツールで検索キーワードを洗い出してカテゴリ内の記事を揃え、読者が「次にこの情報が欲しくなる」タイミングを先回りして内部リンクを置き、カテゴリを横断するまとめ記事で検索上位を狙う。ジャンル選定では広告単価の高い分野か需要の大きい分野を優先しつつ、本人は長年の経験がある釣りを軸に据えた。趣味ジャンルには熱量の高い読者からのシェアが期待できるという計算もあったという。
この「カテゴリ内特化」は、雑記ブログの弱点とされる専門性の低さへの直接の対策になっている。同時に雑記の利点(ネタが尽きない、1ジャンルの検索順位変動でアクセスがゼロになりにくい)は保たれる。リスク分散と専門性を両立させる折衷案として、構造はかなり合理的だ。
興味深いのは「収入の使い道」まで運営論に含まれている点だ。ヨネスケ氏は、ブログからの収入を新しい体験に再投資して次のネタを作り続けるべきだと書いている。釣行や旅行がそのまま記事の一次情報になるジャンルでは、収益と取材費が循環する。雑記ブログの「ネタが尽きない」という利点は放っておいて得られるものではなく、この再投資の回路が回っているから維持される——という整理は、趣味ジャンルのブログ運営における暗黙の資金繰りを言語化したものと言える。あわせて氏が最重要としているのは「継続すること」で、手法論はすべてこの前提の上に載っている。
うまくいかなかった部分も書かれている
この記事が資料として信頼できるのは、効かなかったことも記録されているからだ。開設初期には「書けども書けども収益が発生しない」期間があったこと。SNSでの積極的な交流は重視せず、集客はほぼ検索流入に絞ったこと。雑記ブログには「どの分野の人かわかりにくく信頼を得にくい」「ページ単位の改善がしにくい」という不利が実際にあること。1年で月50万PVという結果だけを見ると順風に見えるが、内実は検索一本足の地道な積み上げである。
SNSを捨てた判断は特に目を引く。個人ブログの成功譚ではSNSでの拡散が定番の要素だが、氏は交流に時間を割くより記事とカテゴリの網羅に時間を使う配分を選んだ。検索流入は積み上がるまでが遅い代わりに、記事が資産として残る。フロー型のSNSとストック型の検索、どちらに1人分の時間を張るかという資源配分の問題として読むと、この選択は「1年後に50万PV」という結果と整合的だ。
PV単価0.6円という位置
1PV約0.6円という数字は、広告収益型メディアの構造を考えるうえで示唆的だ。当サイトの掲載事例では、月間350万PVを集めながら月20〜30万円、1PV0.5円前後という「広告メディアの天井」に直面したブログがある。PVを7倍にしても収益が7倍になるわけではない。PV単価はジャンルと収益化手法でほぼ決まってしまう。
だからこそ2022年の追記が効いてくる。「PVはそのままに収益率を増加させた」というのは、PV単価の天井を記事の量ではなく収益化の質で破りにいったということだ。同じ構図は月4.2万円から1年で月100万円に伸びたTsuzuki Blogにも見られる。あちらもPVの増加より、高単価案件への寄せ方が収益カーブを決めていた。個人ブログの収益は「PV×単価」の掛け算で、後半戦は単価の勝負になる。
再現の条件と限界
一般化できそうな点は三つある。雑記ブログでもカテゴリ単位の網羅で検索評価は取れること。ジャンル選定に「自分の経験の厚み」を使うと記事の網羅に無理がないこと。そしてPVが伸びた後は収益率の改善という第二フェーズが待っていること。いずれもジャンルを問わず応用の利く構造で、この記事が単なる達成報告ではなく運営論として読まれてきた理由だろう。
一方で限界もはっきりしている。まず、月50万PV・月30万円という数字は2018年のものだ。検索アルゴリズムも広告市場もこの間に大きく変わっており、同じ手順が同じ速度で通用する保証はない。実際、20年続く旅ブログが月収120万円から月5,000円まで落ちた記録が示すように、検索流入に依存したメディアの収益は、外部環境の変化で桁ごと動く。開設1年・50万PVという伸び方は本人の設計力に加えて時期の追い風も含んだ数字として読むべきで、再現の目安にするなら「構造」の部分(カテゴリ内特化と二段階成長)に限るのが妥当だろう。
出典
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