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副業ブログ「Tsuzuki Blog」、月4.2万円から1年で月100万円へ。公開されている月次データを分解する

IT企業でSEOを担当しながら2019年1月に本格開始したTsuzuki Blog。6ヶ月目は収益6.9万円(AdSense1.7万+ASP5.2万)・約2.1万PV。収益はVOD系の2〜3記事に集中し、開始約1年で月100万円へ。月次実データを分解する。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

副業ブログ「Tsuzuki Blog」、月4.2万円から1年で月100万円へ。公開されている月次データを分解する

月商100万円は、月商を公開している掲載259件のうち下から38%。掲載全体の月商中央値は225万円です(データ集計)。

なぜこの事例を読む価値があるか

「ブログで月100万円」という見出しは世の中に溢れているが、そこへ至る途中の数字(PV、収益の内訳、目標との乖離、挫折の時期)まで本人が公開しているケースは少ない。Tsuzuki氏は運営初期から月次レポートを自ブログで公開しており、立ち上がりの遅さと後半の急伸がデータで追える。さらにロリポップの対談記事では、成功後にGoogleアップデートで主力記事が下落した「その後」まで語られている。上りと下りの両方が一次情報で揃う、副業ブログの貴重なサンプルだ。

公開されている月次実データ

時点PV収益備考
2018年10月——ブログ開設
2019年1月——本格運営開始(当時IT企業でSEO担当・副業)
3ヶ月目—最低賃金以下/時給換算疲弊して1ヶ月休止
4ヶ月目(4月)9,000——
5ヶ月目(5月・100記事)約16,00042,000円5月20日に100記事到達。PVは前月比1.6倍。収益は2〜3記事に集中
6ヶ月目(6月)20,91768,728円(AdSense 16,711円 + ASP 52,017円)UUは15,119。月30記事・毎日投稿
約1年—月100万円対談記事で本人公言

どんな事業か

Tsuzuki氏はIT企業でWebマーケター(SEO担当)として働きながら、2018年10月に「Tsuzuki Blog」を開設し、2019年1月に本格運営を開始した(それ以前に7年のブログ経験あり)。収益源はU-NEXT・TSUTAYA TV・FODプレミアムなど動画配信サービス(VOD)のアフィリエイトが主力で、AdSenseが補助という構成。6ヶ月目の内訳を見ても、ASP報酬52,017円に対しAdSense16,711円と、成果報酬型が全体の3/4を占める。

投下時間も具体的だ。最初の10記事は1記事あたり約8時間、慣れてからの平均は5時間。100記事到達までの総投下時間は約500時間にのぼる。100記事時点の月収4.2万円を500時間で割れば、累積ではまだ時給100円に届かない水準——本人が3ヶ月目を「時給10円にも満たない」と振り返る通り、前半は時間対収益が破綻していた。

6ヶ月目レポートの中身 — 目標と実績のずれ

6ヶ月目の運営レポートには、目標と実績の対比まで載っている。

指標目標実績判定
収益50,000円68,728円達成
PV25,00020,917未達
UU20,00015,119未達
記事数3030(毎日投稿)達成

収益は目標を4割近く超過した一方、PV・UUは未達。つまりこの月の伸びは「読者が増えた」からではなく、U-NEXT・TSUTAYA TV・FODプレミアムの成約が取れたこと、すなわち少数の収益記事の転換率で説明される。翌月の施策として挙げたのは、ランサーズでの記事外注(2〜3本)の試行、SNS発信の強化、ブログ初心者向け記事への展開。後の「副業ジャンルへの横展開」の萌芽がこの時点のレポートに既に書かれている。

書き方の転機 — 40記事目以降の「結論ファースト」

本人の総括で興味深いのは、検索順位が付き始めた要因を「量」ではなく書式の変更に求めている点だ。最初の40記事を書いた後、結論を冒頭に置く「結論ファースト」型に切り替えたところ、検索1ページ目に上がる記事が増えたという。読者の検索意図から逆算して構成する。SEO担当者としては当然の作法を、自分のブログに適用するまでに40記事を要したことになる。裏を返せば、前半の低迷には「書き方が最適化されていなかった」という説明可能な要因があり、単なる我慢の期間ではなかった。

数字が語る3つの事実

収益は記事数に比例しない。2〜3記事がほぼすべてを稼ぐ。 100記事時点の月4.2万円は、100記事に分散していたのではなく、VOD系の少数記事への集中だった。6ヶ月目の内訳でもASP報酬5.2万円がAdSense1.7万円の3倍。「稼ぐ記事」と「それ以外」の差は残酷なほど大きい。

立ち上がりは疲弊との戦い。 3ヶ月目に「時給換算で最低賃金以下」の現実に疲れて1ヶ月休止している。月100万円ブロガーの経歴にも挫折期間が明記されている点は、これから始める人の期待値調整として重要だ。

それでも1年で月100万円に届いた。 6ヶ月目6.9万円→約1年で100万円という後半の急伸は、検索順位が付き始めた記事群が同時に収益化するストック型の典型カーブ。この立ち上がり方は教育系アプリの12万→147万→391万円と同じで、ストックビジネスの前半の数字は後半を予測しない。

その後の試練 — 対談で語られたリスク側の実話

対談記事でTsuzuki氏は、成功後の下落も具体的に語っている。

  • 1年目に上位表示していたVODのロングテール記事群が、2019年のGoogleアップデートで1位→5位に下落
  • 「ロングテール記事は1位でなければほぼ流入ゼロ」— 2位以下の順位に資産価値はほぼない
  • 救いになったのは、好調なうちに副業・ブログ運営という別分野へ横展開していたこと。「うまくいっている時こそ、視点を横に広げておく」
  • 独立は副業収入が伸びてすぐではなく、収入がゼロになっても切り詰めれば2年生きられる貯金を確保してから

記事の仕上げ方についても本人の実践と推奨が分かれていて面白い。自身は納得いくまで100%仕上げる派だが、他人に勧めるのは7〜8割で公開して量を確保するやり方だという。完璧主義は本人の武器であって、必要条件ではないという整理だ。

学び・分析

「本業スキルの転用」が最短ルートの正体。 Tsuzuki氏の本業はSEOだ。ブログ副業の成功要因を「継続」や「記事数」に求めがちだが、この事例の本質は本業で磨いた専門技能を自分の資産に振り向けたことにある。結論ファーストへの切り替えも、月次で目標対比を回す運用も、マーケターの職業習慣そのものだ。副業選びの問いは「何が儲かるか」ではなく「自分の本業スキルが個人資産に転用できる領域はどこか」であるべきだ。

アフィリエイトの脆さは「順位」に集約される。 収益が2〜3記事に集中し、その記事の順位が1位でなければ流入ゼロ。つまり事業全体が数個のキーワードの順位に賭かっている。通信系アフィサイトが月利益×20ヶ月で売却された事例の相場が「わずか2年分」なのは、この構造的な脆さの価格反映だ。

「調子がいい時に次を打つ」は3人のトップブロガーの共通結論。 同じ対談でヒトデ氏・きぐち氏も「うまくいっている時こそ次の施策を打つ」と口を揃える。好調期は現状維持に流れやすいが、検索流入ビジネスの好調は自分でコントロールできない。好調の理由が外部要因のビジネスでは、好調時こそ分散投資のタイミングになる。

どこまで再現可能か

  • 再現しやすい点: 月次レポートで目標と実績の乖離を記録し、「収益が集中している記事」を特定してその系統に投下を寄せる運用は誰でも真似できる。結論ファーストの記事構成、7〜8割の完成度で量を出す方針、2年分の貯金という独立基準も明確で、初期費用はサーバー代とドメイン代程度に収まる
  • 限界: 2019年当時と比べ、VODアフィリエイトは競争激化と検索環境の変化(AI Overviews等)で同じ戦い方が通用しにくい。「SEOが本業」という初期条件も一般的ではなく、500時間を先行投資できる生活環境——本人ですら一度は折れた——が前提になる

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