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Kindle出版24冊で月5〜7万円の印税。16ヶ月・累計75万円の「量産型」セルフ出版の実データ

Kindleセルフ出版で24冊を出した著者が、月別の印税実額を公開。開始3ヶ月は月5,000円〜1.4万円、半年で月5万円台に乗り、以後は月5〜7万円で安定。16ヶ月の累計は75万円超。1冊あたり月2,000〜3,000円の「本の分散ポートフォリオ」。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

Kindle出版24冊で月5〜7万円の印税。16ヶ月・累計75万円の「量産型」セルフ出版の実データ

月商6万円は、月商を公開している掲載259件のうち下から9%。掲載全体の月商中央値は225万円です(データ集計)。

Kindle出版の収益報告は「当たった月」だけを切り取ったものが多い。この事例の価値は逆で、開始月から16ヶ月分の印税を1ヶ月も欠かさず公開している点にある。24冊を出して月5〜7万円——派手さはないが、セルフ出版を事業として計画するときに必要な「単位あたりの数字」がすべて揃っている。しかも著者は、Kindleの前に音声配信で挫折した経験まで開示している。

月別印税の全記録

月印税
2021年3月(開始)5,000円
4月1万円
5月1.4万円
6月3.6万円
7月4.6万円
8月5.2万円
9月6.7万円
10月5.1万円
11月5万円
12月5.6万円
2022年1月5.5万円
2月8万円(最高月)
3月5万円
4月5.1万円
5月5.2万円
6月5.3万円
7月5.8万円
累計(16ヶ月)75万円超(単純合計で約78.6万円)
  • 出版数: 24冊(2021年3月から約1年半で)
  • 設定: KDPセレクト登録・ロイヤリティ70%
  • 収益源: 販売+Kindle Unlimited既読ページ(1ページ約0.5円)
  • 直近の1冊(1.5万字・480円)は初月約6,000円

月別印税の推移(2021年3月から16ヶ月)

0 2 4 6 8 21/3 21/7 21/11 22/3 22/7 5,000円 3.6万 8万(最高) 5.8万 万円
出典の月別実額より。開始3ヶ月は月5,000円から1.4万円、4ヶ月目に3.6万円へ跳ね、半年以降は月5万から8万円で安定した。

カーブの形が雄弁だ。最初の3ヶ月は月5,000円〜1.4万円と「時給換算すると絶望的」な水準。4ヶ月目の6月に3.6万円へ跳ね、半年で5万円台。以後13ヶ月間、一度も5万円を割っていない。冊数が閾値を越えると、変動の小さいストック収入に変わる。

単位経済を分解する

1冊1〜2万字(ブログ記事5〜10本分)を480円前後で売り、1冊あたり月2,000〜3,000円を得る。執筆1冊分の労働が月数千円の恒久的ストックに変換され、24冊の積分が月5〜7万円になる。著者は「気合を入れた1冊を1日で書いた」例にも触れており、量産の実務は「厚い本を年1冊」ではなく「薄い本を毎月」の側にある。

ロイヤリティ70%の設定では、480円の本が1冊売れるごとに著者へ入るのは約336円。1冊あたり月2,000〜3,000円という平均収益は、販売なら月6〜9冊分に相当する計算で、実際にはここにKindle Unlimitedの既読ページ分が乗る。「月に数冊しか売れない本」を24冊並べることが成立するのは、この二層の収益構造があるからだ。

下支えはKindle Unlimitedだ。読み放題の既読ページに約0.5円が支払われ、著者が例示した1冊は約2万ページ読まれて11,041円になった。480円を払う購入者だけでなく、「買わないが読む」読者も収益になる。数百円の実用書と読み放題の相性は、この量産モデルの前提条件だ。

Kindleにたどり着くまで — 音声配信での挫折

著者はKindleの前にStand.FM(音声配信)で3ヶ月毎日更新を続け、月2,000円程度に終わっている。本人は「自分のセンスや才能の無さにネットビジネスを諦めかけた」とまで書く。同じ人物が媒体を変えただけで月5万円に到達した事実は、成果の差が才能ではなく媒体の構造(フロー型(配信は流れて消える)かストック型(本は棚に残り続ける)か)から生じることを示している。3ヶ月×毎日の音声は蓄積されず、16ヶ月×24冊のKindleは蓄積された。

数字を並べるとさらにはっきりする。Kindleでも開始3ヶ月の印税は合計2.9万円で、Stand.FM時代(月2,000円)と大差ない「報われない期間」だった。違いはその後だ。音声配信は続けても翌月ゼロから始まるが、Kindleは書いた本が翌月も棚に残る。4ヶ月目の3.6万円への跳ねは、努力量が増えたからではなく、それまでの3ヶ月分の在庫が同時に売れ始めたからである。本人が「出版経験が無かった凡人でも、これだけ稼げるのは夢がある」と書くとき、その根拠は才能ではなくこの蓄積構造にある。消える媒体で月2,000円、残る媒体で月5万円。同じ人間から出た数字だ。

積み上がるメカニズム

Kindle出版は「1冊で当てる」より「棚を作る」ゲームである。 1冊の平均収益は微小でも、冊数が読者の回遊(著者の他の本も読む)を生み、既刊が新刊を売る。24冊で月6万円=1冊あたり2,500円という数字は、これから始める人の事業計画の単位として極めて実用的だ。編集部の評価では、13ヶ月間5万円を割らなかった安定は運ではなく設計の産物だ。480円×ロイヤリティ70%×24冊という構造が、1冊ごとの当たり外れを均してしまう。

集客の主戦場はAmazonの検索とKindle Unlimitedのレコメンドだが、著者自身はTwitterとLINE公式アカウントでの告知を併用し、宣伝は必要だと述べている。それでもアプリのストア集客と同型の「マーケットプレイス型」であることは変わらず、独自メディアを持たない人が参入できる数少ない領域だ。

頭打ちの構造

制約は「単価の低さ」と「プラットフォーム依存」。 月5〜7万円で頭打ちになっているのは、価格帯(数百円)と読者母数の上限ゆえ。13ヶ月間5〜8万円のレンジを出ていないことは、24冊時点の棚の天井がこの辺りにあることを意味する。KDPの規約・料率変更が生命線を握る点は、YouTubeチャンネル売買の低倍率と同じ構造的リスクである。冊数を増やしても既刊の収益は逓減し、KU単価(約0.5円/ページ)はAmazonが一方的に決める変数だ。

天井を破る経路は他事例から見える。教育系アプリが年461万円まで伸びたのは検索需要の大きい市場を選んだから、note有料記事やオンラインサロンの上限は単価と固定ファン数で決まる。月6万円のKindle棚を「完成した資産」として維持し、別の棚を作る方が、印税単体を伸ばし続けるより構造には合っている。

その後 — 印税の外側で伸びた収入

出典ブログの著者は現在、Kindle出版「関連」で月収500万円超と称している。ただしこれは個人の印税ではなく、Kindleコンサルティングやコンテンツ販売を含む数字だ。「出版で稼ぐ」より「出版の稼ぎ方を売る」方が単価が高い。情報発信ジャンルの定番の構造であり、この500万円を印税モデルの再現可能な到達点と読むべきではない。再現単位はあくまで「24冊で月5〜7万円」である。

再現の条件と限界

  • そのまま踏襲できるもの: 1冊2,000〜3,000円/月という単位経済での事業計画。KDPセレクト70%+KU下支えという設定。フロー型media(SNS・音声配信)で消耗した人がストック型に乗り換える判断
  • できないもの: 「売れるジャンル選定」の巧拙は数字に出ない前提条件で、24冊すべてが同じ打率とは限らない。開始は2021年で、参入者が増えた現在のKUレコメンドで同じカーブを描ける保証はない。月5〜7万円が上限である以上、これを主収入に据える設計は成り立たない

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出典

本記事は上記の公開情報の要約と独自分析です。 詳細は必ず出典をご確認ください。
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