営業SaaSのAutoklose、カンファレンスのデモから買収へ。「提示額の2倍」を引き出した交渉
ブートストラップの営業自動化SaaS「Autoklose」は、業界カンファレンスでのデモをきっかけに営業支援大手VanillaSoftへ売却された。創業者は当初の提示から売却価格を2倍に引き上げており、小規模SaaSの交渉の実例として貴重。
執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)
何が起きたか
Autokloseは、営業メールの自動送信・見込み客リスト・フォローアップ管理をまとめた営業支援(Sales Engagement)SaaS。外部調達なしのブートストラップで成長し、業界カンファレンスでのデモがきっかけでVanillaSoft(営業支援の老舗)との買収交渉が始まり、当初の提示額から約2倍の条件で売却が成立した。
「2倍」はどこから来たか
売却価格が交渉で2倍になるのは、最初の提示が「買い手の希望価格」にすぎないからだ。小規模SaaSの創業者はM&A経験がなく、最初の数字を相場だと誤解して受けてしまうことが多い。価格を動かす材料は、(1)複数の買い手候補の存在(または存在の示唆)、(2)自社の数字の整理(成長率・解約率・顧客構成を即答できること)、(3)売り急がない姿勢——の3つで、いずれも事前準備でしか作れない。
最初のオファーは「交渉の開始点」であって「評価額」ではない。この一行だけでも、将来売却する開発者には数千万円の価値がある。
カンファレンスという「偶然の設計」
きっかけがカンファレンスのデモだったことも見逃せない。営業SaaSの買い手候補(同業・隣接の大手)は業界イベントに必ずいる。ブースやデモは顧客獲得の場であると同時に、買い手候補に「動いている製品と熱量」を見せる場でもある。Lea(LINE EC)がオンラインサロンで買い手と出会った国内事例と同じく、売却の入口は仲介サイトだけではない——業界の人が集まる場所に、製品を持って立つことだ。
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出典
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