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AI Directories、自分の登録作業を自動化して月$10,000。買い切りだけのディレクトリ登録代行

AIプロダクトを100以上のディレクトリへ登録代行するサービス。自分の作業用に作ったツールが主力事業になり、ポートフォリオ全体で月$10,000。ただし本人が語る数字・価格表・収益ページの3つは食い違う。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

AI Directories、自分の登録作業を自動化して月$10,000。買い切りだけのディレクトリ登録代行

月商150万円は、月商を公開している掲載227件のうち下から49%。掲載全体の月商中央値は157万円です(データ集計)。

新しくプロダクトを出すたび、紹介ディレクトリへの登録を何十件も手作業で繰り返す。Sergiu Chiriac氏はその作業を自分のために自動化した。同じことに困っている人から声がかかり、社外に売り始めた。それが「AI Directories」で、いまは本人のポートフォリオで最大の収入源になっている。

売っているのは登録の代行

商品は単純だ。AIツールやスタートアップを掲載してくれるディレクトリを、本人が手作業で探し、活動しているか、SEO上の価値があるか、登録に何が必要かを確かめ、データベースにまとめてある。買い手はそこへの一括登録を頼む。

公式の料金表では3段階に分かれている。

プラン価格登録先想定される節約時間
Starter$99(定価$149)30以上20時間以上
Pro$149(定価$199)60以上40時間以上
Premium$199(定価$249)100以上70時間以上

どの段でもレポート、自社ディレクトリへの掲載、有料ディレクトリの一覧、ニュースレターでの1回の紹介が付く。この他に、自社ディレクトリへの掲載だけを$49で単体販売しており、そこにはDR70のdofollowリンクが含まれる、とインタビューでは説明されている。

買い手が払っているのは、実質的には時間の代金である。Premiumの$199で70時間が浮くという建て付けをそのまま受け取ると、時給に直して$3弱。自分でやるより安いかどうかは、その人の時間の値段で決まる。

この商品の実体はリストである。本人は「スタートアップやAIのディレクトリを探し、まだ動いているかを確かめ、SEO上の価値を測る作業に数え切れない時間をかけた」と述べている。参入を止めているのはコードではなく、この調査の蓄積のほうだ。ただしリストは放っておくと腐る。ディレクトリは畳まれ、登録の要件も変わる。売り物が減価する種類の資産なので、維持そのものが原価になる。

3つの数字が合わない

この事例で最初に確かめるべきなのは、公開されている数字が一致していないことだ。

出どころ数字
インタビュー(2026年8月)ポートフォリオ全体で月$10,000超、最高の月は$15,700。うちAI Directoriesが$9,500
Indie HackersのプロダクトページAI Directoriesは月$6,500
公式サイト「1,000人以上の創業者」が利用
インタビュー「900人以上の創業者」を支援

いずれも本人が出した数字で、第三者の検証は入っていない。素直に読めば、$9,500は特別に良かった月の実績で、$6,500のほうが平常運転に近い。利用者数の900と1,000の差は、単に更新時期が違うのだろう。

ただし「月$10,000超」という見出しの数字は、ピーク月の$15,700とも、プロダクトページの$6,500とも別の水準を指している。同じ事業について、同時期に3つの違う数字が出ているという状態そのものを、読み手は把握しておいたほうがいい。ここでは平常時に近いと思われる$6,500を基準に見ていく。

月$6,500を$99〜$199の価格帯で割ると、成約はおおむね月33〜66件になる。1日1〜2件だ。

積み上がらない売上

この事業には継続課金がない。本人も「サブスクではなく買い切りが中心なので、月ごとの振れが大きい」と認めている。

登録代行という商品の性質上、これは避けにくい。ディレクトリへの登録は一度やれば終わる作業で、同じ客が翌月また買う理由がない。毎月ゼロから33〜66件を積み直すことになる。

例外はある。自社ディレクトリが育ったことで、ゲスト投稿と有料掲載という第二の収入線ができている。こちらは登録代行と違って、掲載媒体としての枠を売る商売で、客が入れ替わりながら続く性質を持つ。金額は公開されていないため比率は分からないが、買い切り一本という構図からは少しずれている。

本メディアの掲載事例では、小さなプロダクトを積み上げて年収$1,032,000に届いたMarc Lou氏のように、買い切り中心のポートフォリオはいくつかある。共通するのは、単価が低く、点数を増やして分散させる形になることだ。Chiriac氏もTransClipper(短尺動画の文字起こし解析)とBrandReply(AIアシスタント上での言及追跡、開発中)を並行して持っている。

最初の客が自分だったこと

本人が繰り返しているのは「流通は開発より難しいことが多い」という一点で、この事業はまさにその難しさを商品にしている。自分が困った作業をそのまま売っているので、改善が想像でなく実感から出てくる、というのが本人の言い分だ。

「まず一つの問題をきちんと解く。信頼されたら、同じ客の他の困りごとを聞く。新しい市場を探し続けるより、同じ客に広げるほうがずっと楽だ」

参入の判断についても、はっきりした基準を述べている。「作る前に調べろ。1行も書く前に競合を研究しろ。競合がいるのは良い兆候で、市場がある証拠だ」。競合の存在を検証とみなす考え方は、月$20,000〜$80,000規模の競合が2〜3社いる市場しか選ばないと決めているAPI開発者とも重なる。

集客の主力はSEO

流入経路として挙げられているのは、SEO、AI検索を狙ったGEO、他のプロダクトディレクトリへの掲載(自分の商品を自分で使う)、XとRedditの創業者コミュニティ、そしてスタートアップへのコールドメール。このうちSEOを「最大の成長チャネル」と呼び、コンテンツと被リンクに重く投資している。

自然流入を「最も持続する顧客の源」と位置づけている点は、商品の中身と一貫している。被リンクを売る事業が、自分でも被リンクで集めている。

買う側から見て確かめられないこと

この記録には、買い手にとって肝心な数字が入っていない。登録した結果、掲載が承認された率、流入がどれだけ増えたか、検索順位が動いたか。どれも公開されていない。

ディレクトリからの被リンクが検索評価にどれだけ効くかは、以前から評価の割れる領域だ。本メディアには被リンク設計SaaSのSEOJetのような事例もあるが、効果の実測を出している売り手は多くない。DR70という数字はリンク元の強さを示すだけで、買い手のサイトに何が起きたかは示さない。

売り手を責める話ではない。個人が運営する$99〜$199の商品に、統制のとれた効果測定を求めるのは筋が違う。ただ「70時間の節約」という価値は説明されている一方で、「順位が上がる」という価値は説明されていない。買う理由は前者に置くのが妥当だろう。

この事業が続く条件

需要の源は、AIプロダクトが毎月大量に生まれ続けていることにある。新規ローンチが減れば、登録代行の客も減る。継続課金がないぶん、その減少はすぐ売上に出る。

本人が挙げている失敗も、そこにつながっている。共同創業のプロジェクトは何度かうまくいかず、一人が合っていると結論した。1日14時間働いて燃え尽き、いまは週末を休みに充てている。そして最大の課題として「集中を保つこと」を挙げ、こう書いている。稼いでいるプロダクトを良くする時間を増やすべきで、新しいものを次々始めるべきではなかった、と。

月$6,500の買い切り商売を持つ人物が、それでも新しいものを作りたくなる。積み上がらない売上と、集中できないという自己申告は、たぶん同じことの裏表である。

この記事は、出典として「Small Start(small-start.com)」の明記と本ページへのリンクがあれば、ニュース・ブログ・生成AIの回答などで自由に引用・転載できます(事前連絡は不要です)。 転載・引用について →

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