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6本作って2本売って、残り2本で月$6,400。副業3年で辞め時を決めたAPI開発者の損益

会社員をしながら3年で6本のプロダクトを作り、2本を売却、1本をオープンソース化。残った2本の合計が月$6,400に届いた時点で独立した。6本分の結果がすべて金額付きで公開されている。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

6本作って2本売って、残り2本で月$6,400。副業3年で辞め時を決めたAPI開発者の損益

月商96万円は、月商を公開している掲載227件のうち下から37%。掲載全体の月商中央値は157万円です(データ集計)。

収益公開の多くは、当たった1本の話で終わる。この記録が珍しいのは、6本すべての結末が金額付きで並んでいる点である。売れたもの、返金したもの、無料で配ったもの、いま残っているもの。Jonathan Geiger氏がIndie Hackersで公開したインタビューを読む。

会社員として働きながら夜と週末で3年。現在の月商は2本合計で約$6,400である。

6本の帳簿

プロダクト結果
LectureKit$7,000で売却
WaitListKit事前販売1件のみ、返金して開発中止
NextUpKitマーケティングゼロで売上$400。その後オープンソース化
CaptureKitMRR $127まで伸ばし、公開から約2.5か月で$15,000で売却
SocialKit公開から13か月。月商約$3,500
PostPeer2026年4月公開。月商約$2,900

6本のうち、まともな継続収益になったのは2本。1本は着手を止め、1本は無料で配っている。打率としては3分の1で、それが3年かけた結果である。

似た構図は17個作って当たった1個にも見られる。違うのは、Geiger氏の場合、外れた側にも小さな出口があったことだ。

MRR $127のプロダクトが$15,000で売れた意味

この記録で最も引っかかる数字がここである。CaptureKitは月$127の売上しかない段階で$15,000で売れている。**月商の約118か月分。**サイト売買の相場が月間利益の12〜24か月分とされることを踏まえると、桁が違う。

つまり買い手が買ったのは、キャッシュフローではない。動くコード、API基盤、ドキュメント、そして「すでに課金が発生している」という証明である。開発から2.5か月という時点も、育て切っていないことを示している。

売り手側にとって、この金額の意味も小さくない。$15,000は当時の月商の100か月分以上であり、次のプロダクトの開発期間をまるごと買える。同じ発想は1万ドルで買って1年後に2万ドルで売った元Netflixエンジニアの記録にも通じる。小さいプロダクトには、育てる以外の出口がある。

なおGeiger氏は、CaptureKitで作った認証・課金・APIキー管理・ドキュメント構成をSocialKitに流用している。「作るたびに次が安くなる」というのが本人の言い方だ。6本という本数は、6回ゼロから作った回数ではない。

立ち上がりの実測値

初月現在
SocialKitMRR $13MRR $2,800 + 買い切り約$700
PostPeerMRR $34MRR $2,400 + 買い切り約$500

SocialKitは初月$13だった。それが13か月で$2,800まで来ている。**倍率にして約215倍だが、出発点が$13なので倍率にほとんど意味はない。**この種の数字は、月あたり$200強ずつ積み上がった、と読むほうが正確だ。

有効サブスクリプションは110件。MRR $2,800を割ると1件あたり約$25になる。PostPeer側は「ユーザー1,000人」と書かれているが、これが登録者なのか課金者なのかは明示されていない。単価を出せるのはSocialKitだけである。

両プロダクトとも、売上の2割前後を占めるのが買い切りのクレジットパック(各月$500〜$700)である。API従量課金の商材で、月額に馴染まない層を買い切りで拾う設計になっている。

無料枠はクレジット20回分、カード登録不要。そのうえで初日から有料プランを置いている。「無料で広げてから課金する」の逆順である。

積み上がるチャネルと、跳ねるチャネル

本人が繰り返しているのは「積み上がるチャネルは、跳ねるチャネルに勝つ」という一点だ。具体的には、開発中からSEOとコンテンツを始めている。

  • 週1〜2本、顧客が検索する言葉に合わせたブログ記事
  • API・機能ごとに個別のランディングページ
  • ユースケース別のページ、競合名・代替候補を扱うページ
  • 無料ツール(YouTubeの文字起こし抽出など)で恒常的な流入を作る
  • 1つの素材をYouTube動画 → ブログ → LinkedIn → Reddit → ショート動画 → TikTokへ展開

結果として、PostPeerは**静かに公開した1週間後に最初の顧客が付いている。**告知の前に、すでにSEOの下地が動いていたからだ、と本人は説明している。

機能ごとにランディングページを分ける手法は、「Twitterヘッダー作成」などのユースケースLPを10枚作って$0から$62K MRRに届いたSnappaと同じ発想である。検索する側は「画像編集ツール」ではなく、自分がやりたい一つの作業の名前で検索する。

差別化として挙げているのは、機能ではなくWhatsAppでの直接サポートである。「速いサポートは、大手が真似できない唯一のもの」。

月$3,000で会社を辞めた

独立の基準は明快だった。**プロダクトの合計が月$3,000を超えるまで辞めなかった。**本人の言葉では「追い詰められた場所から働かなくて済むように、地に足がついた状態で跳べ」。

ここは冷静に見ておきたい。月$3,000は、多くの国で単身の生活費をぎりぎり賄う水準である。3年の助走と、2本の売却で得た$22,000があってなお、その金額で踏み切っている。独立の判断は、事業が育ったからではなく、落ちても死なない構成が揃ったから下されている。

なお現在、PostPeerには各プラットフォームとの連携を担当するパートナーが加わっている。厳密な意味での一人体制は、独立の時点で終わっている。

検証ルール:競合がいない市場は作らない

作るかどうかの判断基準も公開されている。「自分が理解している領域に、月$20,000〜$80,000規模の競合が2〜3社いること。競合がいなければ作らない。需要がないという意味だからだ」。

競合が儲かっていること自体を検証とみなすという考え方で、独自のアイデアを避けると明言している。この基準は、上のCaptureKit売却の話とも整合する。すでに買い手がいる領域だから、育て切る前でも売れた。

掲載事例の中での位置

月$6,400は、本メディアが月商を公開している掲載事例の中央値をやや下回り、SaaS事例に限った中央値には遠く及ばない。この事例の価値は金額ではなく、6本分の帳簿が丸ごと出ている点にある。

再現の条件と限界

一般化できるのは2つ。ひとつは、プロダクト同士が部品を共有していると、本数を重ねるほど1本あたりの原価が下がること。認証・課金・APIキー管理は、どのAPI商材でも同じものが要る。

もうひとつは、流入の下地を公開前に作っておくこと。公開1週間で最初の顧客が付いたのは、公開時の告知ではなく、その前に置いた記事とページが理由である。逆に言えば、この手法は着手から成果まで数か月の遅れがある。

限界も明らかだ。SocialKitもPostPeerも、他社プラットフォームのデータ取得と投稿を担うAPIである。**対象プラットフォーム側の仕様変更や規約変更が、そのまま事業の存続条件になる。**この種のリスクは、掲載事例でも繰り返し現れる。

公開されていないのは、利益、API原価(スクレイピングと配信のインフラ費)、解約率、PostPeerの課金者数、パートナーとの分配、そして3年間に投じた総時間である。費用側が一切ないため、月$6,400のうち手元にいくら残るかは分からない。

出典

本記事は上記の公開情報の要約と独自分析です。 詳細は必ず出典をご確認ください。

この記事は、出典として「Small Start(small-start.com)」の明記と本ページへのリンクがあれば、ニュース・ブログ・生成AIの回答などで自由に引用・転載できます(事前連絡は不要です)。 転載・引用について →

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