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CyberLeads、19個の失敗の次に31日で作った「調達企業リスト販売」が月$53.7K。無料ニュースレターが営業装置

ギリシャのAlex West氏は、19個の失敗作の後に31日で作った「資金調達企業のリスト販売」CyberLeadsを2020年2月に公開。初月MRR $290から、2024年10月時点で月$53.7Kに。週10件の無料ニュースレターを有料版への導線にする設計だ。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

CyberLeads、19個の失敗の次に31日で作った「調達企業リスト販売」が月$53.7K。無料ニュースレターが営業装置

月商805.5万円は、月商を公開している掲載227件のうち上位28%。掲載全体の月商中央値は157万円です(データ集計)。

19個作って、19個失敗した人の20個目である。ギリシャの開発者Alex West氏は、2020年2月にCyberLeadsを公開するまでに、名前も残らない小さなプロジェクトを19個潰してきた。20個目の製作期間は31日。それが2024年10月時点で月$53.7K、年換算$644Kの事業になっている。

CyberLeadsが売っているものは単純だ。資金調達を発表したばかりの企業を毎月リスト化し、連絡先とともに届ける。買うのは開発会社、デザイン事務所、マーケティング代理店——「予算を手にしたばかりの会社」に営業をかけたい業者たちだ。調達直後の企業は外注への支出意欲が最も高く、リストの鮮度がそのまま商品価値になる。

着想の出どころはWest氏の思いつきではない。Redditで「調達したばかりの企業のリストが欲しい」と書いている業者の投稿を見つけたのが起点で、つまり需要の存在を確認してから作っている。19個の失敗作の多くが「自分が作りたいもの」だったのに対し、20個目は「欲しいと言っている人がいるもの」だった。製作期間31日という短さは、腕が上がっただけでなく、検証済みの需要に向けて最短距離で作ったからでもある。

数字の整理

時点数値・出来事
2020年2月Product Huntで公開(製作31日)・初月MRR $290・顧客10人
2020年4月ツイートの拡散で顧客約10人追加
公開半年MRR $2K
2022年4月年$250K(本人X)
2024年10月月$53.7K・年換算$644K(Starter Story)
価格$199/月(1,000件)〜$1,997/月(30,000件+付帯サービス)

無料で10件、有料で1,000件

獲得の設計で目を引くのは無料ニュースレターだ。毎週10件の調達企業リストを無料で配る。これはフリーミアムの変形だが、機能を制限するのではなく「量と鮮度」で線を引いている。無料版の10件でリストの品質を体感した業者が、営業の数を増やしたくなったら$199の1,000件に上がる。製品のデモがそのまま毎週届く見込み客リストになっており、営業コストがほぼゼロで回る。

価格の階段設計も、B2Bデータ販売の定石として読める。入口の$199(1,000件)と最上位の$1,997(30,000件+付帯サービス)では10倍の開きがあり、上位プランには単なる件数増ではなくサービスが付く。リスト販売は限界費用がほぼゼロなので、同じデータから複数の価格帯を切り出せば、顧客の規模に応じて支払額が伸びていく。初月$290だったMRRが$53.7Kまで伸びた過程は、顧客数の増加と同時に、この単価の階段を顧客が登っていく過程でもある。

初期の露出はProduct Huntローンチ(顧客10人)と、2020年4月のバズツイート(約10人追加)、そして透明性の高い月次レポートの公開だった。進捗を数字ごと公開するスタイルはHacker Newsのトップも取り、それ自体が集客になった。数字の公開を営業装置にする型はPost BridgeSEObotと共通するが、West氏の場合はB2Bの高単価($1,997プランまで)に接続した点が特徴だ。

19連敗の会計

この事例を「諦めなければ報われる」と読むのは正確ではない。19個の失敗には5年近い歳月が費やされており、その間の生活は本業の給与が支えていた。CyberLeadsも会社勤めを続けながら立ち上げ、収益が給与の2倍に達してから独立している。つまり19連敗は、固定給という安全網の上でだけ成立する試行回数だ。

一方で、連敗の中身は無駄になっていない。20個目が31日で作れたのは、19個分の「作って出す」の反復で製作速度が上がっていたからで、アイデア自体もRedditの投稿を拾う嗅覚として結実した。空振りが速度と選球眼に変わる構造は、4年の空振りの末に当てたPost Bridgeともきれいに重なる。ソロの多産多死についてはRamsriのポートフォリオの記録も参照してほしい。

移行の速度にも注目したい。CyberLeadsの収益は2年目には本業の給与の2倍に達していたが、立ち上げ自体は会社勤めと並行して行われている。ソロ事業の収益は変動が大きく、給与と同額程度では下振れ月に生活が事業判断を歪める。給与の複数倍という余裕は、値上げや長期施策のような「短期の売上を犠牲にする正しい判断」を可能にする経営資源だ。

リスクと限界

事業の構造的な弱点も見えている。第一に、データの仕入れと精度がすべてであること。調達情報の収集・整理は自動化と人手の混合で、ここの品質が落ちれば解約は早い。営業リストという商材は成果に直結するぶん、成果が出なければ見切られるのも速いジャンルだ。第二に、CrunchbaseやApolloのような資金力のあるデータ企業と隣接しており、大手が同じ切り口(調達直後リスト+営業支援)を安価に出せば価格競争に巻き込まれる。第三に、収益源が「調達ブーム」に相関すること。ベンチャー投資が冷え込む局面では、リストの供給も顧客の予算も同時に細る。

再現の条件と限界

持ち帰れるのは、①B2Bの「買い手が予算を持った瞬間」を特定できるデータは、それ自体が商品になる、②フリーミアムは機能ではなく量・鮮度で切ると、デモと見込み客獲得が一体化する、③多数の失敗を前提にするなら、固定収入の安全網と製作速度の向上をセットで設計する、④アイデアは自分の頭からではなく、需要が既に言語化されている場所(掲示板・コミュニティ)から拾う、の4点だ。

限界として、月$53.7Kという数字は2024年10月時点のStarter Storyによる整理値であり、本人の一次発信で検証できるのは2022年の年$250Kまでである点は明記しておく(本文の記述もこの区別に沿って出典を分けている)。また、この型は英語圏のスタートアップ調達データという厚い市場があって成立しており、調達件数が桁で少ない市場では同じ商売の規模は出ない。日本で同じ構造を組むなら、対象を調達企業以外の「予算が動いた瞬間」に読み替える必要があるだろう。ソロ事例の分布はソロプレナーの一覧から。

出典

本記事は上記の公開情報の要約と独自分析です。 「報道」は他メディアが取材・整理した記事で、数字はその報道時点のものです。 詳細は必ず出典をご確認ください。

この記事は、出典として「Small Start(small-start.com)」の明記と本ページへのリンクがあれば、ニュース・ブログ・生成AIの回答などで自由に引用・転載できます(事前連絡は不要です)。 転載・引用について →

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