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Udemy講座24本で月1,500ドル・累計5.3万ドル——「1講座100ドル」が見えた時点で量産に切り替えた3年半

2021年3月にUdemy講師デビューした伊藤大智氏が、2024年9月時点で24講座・受講生約1.5万人・月約1,500ドル(本人換算で約21万円)、累計約5.3万ドルを公開。1講座あたり月100ドルの型が見えた時点で、当てにいく作りから約1.5ヶ月に1本の量産へ切り替えた。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

Udemy講座24本で月1,500ドル・累計5.3万ドル——「1講座100ドル」が見えた時点で量産に切り替えた3年半

月商21万円は、月商を公開している掲載227件のうち下から21%。掲載全体の月商中央値は157万円です(データ集計)。

オンライン講座プラットフォームUdemyで講師をしている伊藤大智(リュウジ)氏が、2024年9月25日、講師管理画面の収入額をnoteで公開した。2021年3月の講師デビューから3年半で、リリース講座は24本、受講生は約15,000人。月の収入は「波はあります」としつつ、おおむね1,500ドル前後。通算では約53,000ドルに達している。

公開されている数字

項目数字
講師デビュー2021年3月
リリース講座数24本(2024年9月時点)
受講生数約15,000人
月の収入約1,500ドル
通算収入約53,000ドル
制作ペース1年半で11講座=約1.5ヶ月に1本
自身のUdemy講座制作講座通常23,800円/クーポン1,800円、受講200名以上、平均評価4.7

伊藤氏がこの収入を高く評価する理由は金額の絶対値ではない。「講座リリース後はほとんど手間をかけていない」ため、「ほぼ不労所得のような形で収入が入ってきている」という点にある。

割り算をすると別の顔が見える

公開された数字を素直に割ると、いくつか本文には書かれていない構造が浮かぶ。

  • 1講座あたりの月収は 1,500ドル ÷ 24本 = 約62.5ドル。伊藤氏が「ここまでできていれば1講座あたり、月100ドル前後の販売は見えてくる」と書く目標値より、平均値では低い。
  • 講師デビューの2021年3月から2024年9月までは約42ヶ月。53,000ドル ÷ 42ヶ月 = 月平均約1,262ドル。現在の1,500ドルとの差が2割弱しかない。
  • 受講生1人あたりの通算収入は 53,000ドル ÷ 15,000人 = 約3.5ドル。ただし後述するとおり無料クーポンでの受講生も母数に含まれるため、有料受講の実単価はこれより高い。

2番目の数字は特に示唆的である。もし収入がゼロから直線的に伸びたのなら、期間平均は現在値のおよそ半分に落ち着くはずだ。実際には期間平均が現在値の8割強に達している。つまり収入は比較的早い段階で現在に近い水準へ届き、その後は講座数を増やしても大きくは伸びていない。という読み方ができる。講座を24本まで積んだことが月収を24倍にしたわけではない。もっとも、これは2点の数字からの逆算であり、途中の月次推移は公開されていない。

何を売っているのか

伊藤氏はWebマーケティングを本業とし、トビラマーケティング代表を名乗る。Udemyでの講座もSEO対策など自身の実務領域が中心で、2022年9月には6時間超の「SEO対策マスター講座」をリリースしている。

加えて、Udemy講師の稼ぎ方そのものを教える講座「7講座ベストセラー講師の初心者向けUdemy講座制作講座」も持つ。通常価格23,800円に対しクーポン価格1,800円、受講者200名以上、平均評価4.7。24本のポートフォリオの中に、自分の実績をそのまま商品化した一本が混ざっている構造だ。

潮目が変わったのは「当てる」から「積む」に切り替えた地点

伊藤氏の記述で、軌道が変わったと読める箇所は明確である。評価集めと検索対策の型ができた後に、こう書いている。

ここまでできると、Udemyで講座を売るコツがわかります。そうなったらあとはひたすらいい講座を作るのみ。

そしてその直後に「1年半で11講座をリリースしているので、約1カ月半に1講座リリースしている計算になります」と制作ペースを示す。ヒット講座を当てにいく段階から、1本あたり月100ドル前後という再現可能な単価を前提に本数を積む段階へ、作業の性質が切り替わっている。3年半で24本という結果は、この切り替えの後にペースが安定したことの表れである。

前後の売上を並べた数字は公開されていないため、切り替え前後で月収がいくら変わったかは確認できない。確認できるのは、制作ペースが「約1.5ヶ月に1本」という一定の速度に固定されたことだ。

効いた仕組みを分解する

伊藤氏が挙げる6つのポイント(専門分野を持つ/わかりやすく成果の出る講座を作る/初期評価を10件以上集める/Udemy内検索順位を上げる/ベストセラーバッジを取る/講座をたくさん作る)は、施策名としてはありふれている。効いている理由は、いずれもUdemyというプラットフォームの評価アルゴリズムの構造に触れている点にある。

評価ゼロという初期在庫の欠品を、無料で埋める。 評価0の講座は内容が良くても売れない。伊藤氏は講座リリース時にX(旧Twitter)で「限定10名様に、無料クーポンをプレゼントします」と募り、応募者に評価を依頼している。評価が10件以上あると最高評価バッジの取得対象になるためだ。売上を捨てて評価という在庫を仕入れる行為であり、順序として売上より先に置いている。なお本人は「高い評価をつけてほしいと誘導することはNG」と明記している。

バッジが相対評価であることを利用する。 ベストセラーバッジの条件は「主要トピックとカテゴリーの組み合わせの中で、最近の販売数が最も多かったコース」。絶対的な販売本数ではなく、区分内での相対順位で決まる。ならば競合講座の少ないトピックを選べば取りやすくなる、というのが伊藤氏の言う「ハック的な裏技」である。カテゴリーは審査提出後に自分では変更できないが、サポートセンターに連絡すれば変更対応してもらえる、という運用上の抜け道まで書かれている。

販路がプラットフォーム内検索に閉じている。 外部集客ではなく、コース紹介ページやセクション・レクチャーの説明文に狙ったキーワードを自然に含めることが施策の中心になる。評価数とキーワード対策が揃えば「検索順位は自然と上がってきます」というのが本人の整理だ。集客を自前で持たなくてよい代わりに、露出はプラットフォームの評価指標に従属する。

参入障壁が価格ではなく手間に置かれている。 伊藤氏は自身を「後発」としながら「今から参入しても、まだまだ市場の空きは残っています」と述べ、その理由を「動画を撮影して編集することのハードルを高く感じるので、参入者が少ないこと」と分析する。撮影・編集という一度きりの労力が競争相手を減らしている、という読みである。

見落とすと危ないところ

収入には本人が認めるとおり「波」がある。月21万円は固定給ではない。

平均62.5ドル/講座という数字が示すのも、24本が均等に稼いでいる姿ではないだろう。ベストセラーを取った数本が大半を稼ぎ、残りが長い尾を作っている。と考えるのが自然だが、講座別の内訳は公開されておらず、これは推測の域を出ない。

出典にはまた、Udemyの手数料率、セール価格の水準、講師の取り分といった収益の内訳がいっさい書かれていない。「講師管理画面で見られる収入額」とあるため講師の取り分と読むのが自然だが、その前段の総流通額は不明である。受講生1人あたり約3.5ドルという薄さは、この構造を抜きには評価できない。

なお、「まだ市場に空きがある」は2024年9月時点の本人の見立てであり、検証された数字ではない。

どこまで真似できるか

真似できるのは、手順として書かれている部分だ。リリース直後に無料クーポンで評価を10件集める。説明文にキーワードを仕込む。競合の少ないトピックを選んでバッジ条件の分母を小さくする。そして制作ペースを「1.5ヶ月に1本」のような速度目標に落とす。いずれも特別な資本を要しない。

真似しにくいのは前提条件のほうである。伊藤氏は専門分野の最低条件を「少なくとも2~3年くらい実績を積んだ分野」と明言している。SEO対策の講座なら「検索順位を上げた実績が複数あること」。この2〜3年は講座制作の外側で積むしかない。加えて、リリースのたびに無料モニターを10名集められるXアカウントを持っていること、そして6時間超の動画を撮影・編集する作業を苦にしないことも、本人が参入障壁と呼んでいる以上そのまま個人差になる。

そして最も再現しにくいのは、収入が伸びない期間に本数を積み続ける判断だろう。前述の逆算どおり、講座数と月収が比例していない可能性は高い。それでも1.5ヶ月に1本を続けられたのは、本業のマーケティング収入という土台があったからではないか。ここは出典に書かれていないため、確認できる話ではない。

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出典

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