事例 運営中

せどり初月の手残り19,591円。DIY職人が5ヶ月で売上73万円・利益17万円を積んだ全記録

長野でDIY代行業を営む個人が2025年6月にせどりを開始。初月は売上55,733円・利益19,591円。8月にネット仕入れへ全面移行して売上は26.7万円へ膨らんだが利益率は16.3%へ半減し、5ヶ月合計の利益は170,539円だった。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

せどり初月の手残り19,591円。DIY職人が5ヶ月で売上73万円・利益17万円を積んだ全記録

月商14.6万円は、月商を公開している掲載227件のうち下から15%。掲載全体の月商中央値は157万円です(データ集計)。

5ヶ月分の実額をそのまま並べる

長野の山間部に移住し「DIY代行人」として本業を営む個人が、2025年6月から副業でせどりを始めた。特筆すべきは、月次の売上・コスト・利益・利益率を毎月noteで公開し、5ヶ月続けたあと「一旦終了」の記事まで書いていることだ。始めた記録は多いが、失速と撤退の判断まで数字付きで残っている記録は少ない。

売上コスト(仕入・送料・手数料)純利益利益率販売点数
2025年6月(1ヶ月目)55,400円36,883円18,517円33.4%5点
7月116,352円68,395円47,957円41.2%10点
8月267,389円223,868円43,521円16.3%15点
9月200,800円172,620円28,180円14.0%非公開
10月89,901円57,537円32,364円36.0%非公開
5ヶ月合計729,842円559,303円170,539円23.4%

月平均の売上は145,968円、月平均の利益は34,108円。本人が最初に置いた目標は「月5万円の利益」だったが、5ヶ月のどの月もそこには届いていない。

なお同じ6月について、有料(150円)の「1ヶ月目」レポートでは売上55,733円・コスト36,142円・純利益19,591円・利益率35.2%という数字が示されている。無料の月報とは利益で1,074円のずれがある。締めの時点や手数料の反映タイミングによるものと見られるが、個人の副業会計で「その月の利益」がどれくらい揺れるかを示す例でもある。

何を仕入れて、何で稼いだのか

扱っているのは工具、カメラ、スポーツ用品といった中古実物だ。初月の最高利益商品はマキタのエア釘打機AF502Nで、仕入3,300円に対して13,000円で売れ、利益8,400円・利益率64.6%。しかもこれは「動作未確認のジャンク扱い」で仕入れ、自分で動作確認をしてから出したものだった。

7月の最高利益はOLYMPUS XA2で、仕入18,700円・販売42,000円・利益19,030円。9月にはSONY α57のダブルズームキットで7,394円、10月はハイコーキのチェーンソーCS3625DCで7,981円、MAXのピンネイラTA-245で4,350円(利益率62.1%)。勝ち筋は一貫して「壊れているかもしれない工具・カメラを安く買い、確認して売る」ところにある。

仕入れの手数も公開されている。初月の店舗仕入れは実質1日ぶん(半日×2回)。妻のぎっくり腰の通院に付き添った帰りに小諸市の店を回り、別日に長野市周辺を回っただけだ。学習は書籍でもスクールでもなく、YouTubeとChatGPTだけ。「気になるジャンルや商品があれば、まずChatGPTに相談してからリサーチする」流れをつくったと書いている。

潮目が変わったのは8月、「ネット仕入れのみ」に切り替えた月

この事例の転機ははっきりしている。8月だ。本業が忙しく、猛暑もあって店舗を回る時間が取れず、仕入れをネットのみに限定した。結果は数字に強く出た。

売上は7月の116,352円から267,389円へ2.3倍。しかし利益は47,957円から43,521円へ、むしろ微減した。利益率は41.2%から16.3%へ半分以下に落ちている。仕入コストは68,395円から223,868円へ3.3倍に膨らみ、増えた売上のほぼ全部が仕入れに消えた計算になる。

本人の敗因分析は具体的だ。「写真では綺麗に見えた商品が、実物はジャンク状態だった」。動作未確認と表示された品の多くが本当に故障しており、複数の赤字商品が出た。

効いていたのは「検品できること」だった

なぜ店舗仕入れでは41%取れて、ネット仕入れでは16%に落ちたのか。表面的には「ネット仕入れは競争が激しいから」と説明したくなるが、この人のケースではもっと単純な構造が働いている。

彼が稼いでいたのは商品の価格差ではなく、状態の不確実性に対する値引き幅だった。「動作未確認」「ジャンク」と書かれた工具は、売り手がリスク分を大きく値引いて出す。DIY代行を本業にしている人間は、その工具が本当に壊れているのか、直せるのか、直す手間が何分なのかを手に取って判断できる。3,300円のAF502Nが13,000円になったのは、この判断力に対して市場が払った対価である。

ネット仕入れは、この能力を行使する場所そのものを奪う。判断材料が出品写真と文章だけになれば、目利きの優位は消え、残るのは誰でもできる価格差の探索だけになる。だから売上は伸ばせても、利益率は業界平均的な水準へ収束した。「仕入れの手段を変えた」のではなく「自分の武器を封じた」。8月の16.3%はそういう数字だ。

9月にも別種のねじれが起きている。売れ残り在庫を整理するため売却優先に切り替えた結果、薄利の商品が増えて利益率は14.0%まで下がった。売上200,800円は維持できたが、利益は28,180円。逆に10月は仕入れと出品を絞り込み、利益率は36.0%に戻ったものの売上は89,901円まで落ち、利益は32,364円にとどまった。売上を作る仕入れと、利益を残す仕入れは別物であり、個人の作業時間ではその両方を同時に回せない、というのがこの5ヶ月が示した現実である。

続かなかった理由は「儲からないから」ではない

12月、月報は一旦終了した。理由として本人が挙げたのは、平均利益が2〜3万円で落ち着いてマンネリ化したこと、本業が忙しく仕入れ時間を取れないこと、スノーボードシーズンで休みがなくなること。そして端的に「数字にあまり変化がなく、面白くないから」と書いている。赤字で撤退したのではなく、伸びしろが見えない作業に可処分時間を割く理由がなくなった、という終わり方だ。

せどり自体はやめておらず、2026年4月の投稿では冬場に仕入れたアクションカメラ6個のうち4個を売って利益率24%、登山用品46%、工具55%、ヤフオクで新規開拓した海外の置き物42%、価格表示ミスで安く買えたULザックは82%という内訳を公開している。同時に工具でマイナス40%、傷物でマイナス30%の赤字も出ており、修理代が原価を上回るケースがあること、10万円超のカメラが売れずに不安であることも書いている。「稼げてはいないが、本業と違う学びがある」という位置づけに落ち着いた。

どこまで真似できるか

再現できるのは記録の付け方だ。売上・コスト・利益・利益率を毎月同じ形式で出し続けたからこそ、8月の「売上2.3倍・利益横ばい」という異常が本人にも読者にも見えた。感覚で回していれば「売上が5倍近くになった良い月」で終わっていた可能性が高い。学習をYouTubeとChatGPTだけで済ませ、初期投資をほぼゼロに保った点も真似できる。

再現しにくいのは中核の目利きである。本業がDIY代行で、電動工具の構造と修理の手間を知っていることが利益率の源泉だった。同じ手法をジャンル知識のない人が使えば、8月の16.3%が平常運転になる。地方在住でリサイクル店を車で回れること、通院や用事のついでに半日単位で仕入れができる生活動線も条件のうちだ。

そして最大の限界は規模である。月5万円の利益を目標に置いて、月平均34,108円。5ヶ月の利益合計170,539円は、本業の合間に工具を検品し、写真を撮り、梱包して発送した労働の対価としては薄い。この事例が価値を持つのは、その薄さを隠さずに数字で残したからだ。

あわせて読みたい

この記事は、出典として「Small Start(small-start.com)」の明記と本ページへのリンクがあれば、ニュース・ブログ・生成AIの回答などで自由に引用・転載できます(事前連絡は不要です)。 転載・引用について →

近い規模・近い業種の事例

この記事が参考になったら、シェアで応援
Xでシェア