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個人開発6作目で月25万円。手数料50円の失敗から月額4,000円×有料50人にたどり着くまで

個人開発を6回繰り返した開発者が、5作目のInstagram向けチャットボットで月約25万円の継続収益に到達。1作目は取引手数料が1件50円にしかならず月数千円で失敗。単価と課金モデルの選び直しが分岐点になった。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

個人開発6作目で月25万円。手数料50円の失敗から月額4,000円×有料50人にたどり着くまで

月商25万円は、月商を公開している掲載227件のうち下から23%。掲載全体の月商中央値は157万円です(データ集計)。

個人開発の収益公開は、成功した1本だけを切り出したものが多い。この事例が読める理由は逆で、6回リリースして当たったのが1本、という打率まで開示されている点にある。オンラインスクール「ShiftB」の運営者でもある開発者「ぶべ」氏がnoteで公開したマネタイズ論には、失敗した手数料モデルの単価が「1件50円」だったという生々しい数字まで書かれている。

6作の内訳と、いま収益が出ている場所

プロダクト課金モデル結果
1作目:飲食店を探すサービス手数料型(チケット代の10%)手数料1件あたり約50円。良くても月数千円で失敗
5作目:Instagram向けチャットボットツールサブスク(月額4,000円)有料ユーザー約50人、毎月約25万円が継続発生
直近:JavaScript学習サイト完全無料単体売上はゼロ。有料スクールへの入会が発生
ShiftB(オンラインスクール、2024年立ち上げ)スクール受講料受講生100名超、転職活動した卒業生は100%が転職・案件獲得

金額が明示されているのはこの2点だけである。5作目の月額4,000円×約50人は単純計算で20万円だが、本人は「毎月約25万円」と書いている。差分の内訳(上位プランや年額契約の有無)は記事では説明されていないため、ここでは月20〜25万円規模の継続収益、と読むのが妥当だろう。

1作目で何が起きたか

最初のプロダクトは「お店を探したい人が、グルメ系インフルエンサーに直接質問できる」サービスだった。質問チケットを買ってもらい、その10%を手数料として受け取る設計である。

崩れたのは価格決定権の所在だった。チケットの値段を決めるのはインフルエンサー本人で、彼らは一様に数百円に設定した。500円のチケットなら運営の取り分は50円。これで生活できる規模にするには、数万人〜数十万人を集めて毎日大量の取引を回す必要がある。個人開発者が単独で用意できる集客量ではない。結果は「良くても月に数千円」だった。

本人はこのモデル自体を否定してはいない。手数料型の成功例として挙げているのがMENTAで、メンター契約は月額数万円になることもあり、購入者と販売者の双方から手数料を取る設計だったこと、そして運営者のマーケティング力があったことを勝因として挙げている。同じ手数料10%でも、母数が500円か数万円かで事業の姿はまったく変わる。

分岐点は「誰が財布を握っているか」に置き直したこと

軌道が変わったのは、プロダクトのアイデアを変えたことよりも、課金相手と単価を選び直したことだった。

5作目のInstagramチャットボットツールは、月額4,000円のサブスクリプションである。ここには3つの選択が重なっている。

第一に、対象業務が「終わらない」こと。履歴書作成のように一度使えば用が済むものは月額課金に向かない、と本人は明言している。SNS運用はやめない限り続く業務なので、継続課金と相性が良い。

第二に、価格帯を月額数千円に置いたこと。企業が月2〜3万円で出している業務ツールの機能を絞り、数分の一の価格で出す、という組み立て方である。月額数万円にすれば機能量・サポート体制・社会的信用で法人サービスと比較され、個人開発では勝ち目がない。逆に月額100〜300円だと、まとまった売上にするために大量集客が必要になり、1作目と同じ壁に戻る。

第三に、顧客を個人事業主・フリーランスに寄せたこと。ここが最も再現性のあるポイントだろう。企業向けツールは上司の決裁が挟まるが、個人事業主は自分が決裁者で、「月3,000円なら経費で落ちる」と即断できる。集客に困っている個人事業主にとって、集客が楽になるツールの月4,000円は安い、という判断が成立する。手数料型が「取引額の一部」しか取れなかったのに対し、サブスクは「意思決定者から直接、毎月」受け取る構造になった。

加えて、最初の2週間を無料にする設計を入れてからクレームがほぼ消えた、と述べている。課金後に「思っていたのと違う」というギャップが発生しないため、返金対応やレビュー荒らしのリスクが下がる。売上を作る施策ではなく、運営者一人の消耗を減らす施策として効いている。

効かなかった選択肢と、公開されていない部分

同じ記事で、本人が現実的でないと切って捨てているモデルもある。広告・アフィリエイト型は「個人開発でこれで食べていくのは相当厳しい」と結論づけ、まとまった収益には月数十万〜数百万PVが必要で、いまから個人がSEOで企業メディアに勝つのは現実的でないとしている。買い切り型も、サーバー費用が毎月かかるWebサービスでは収支が崩れるとして自身では採用していない。

一方で、直近のJavaScript学習サイトは全機能を無料開放しており、単体売上はゼロである。ここから有料スクールへの入会が発生したのは「当初狙ってやったわけではなく、たまたまそうなった」と書かれている。無料ツールをフロントエンドにしてバックエンド商品に繋ぐ設計は、あくまで結果論として発見されたものだ。

数字の欠落も正直に押さえておきたい。ツールの名称、有料転換率、解約率、開発期間、月額4,000円に至るまでの価格改定の履歴はいずれも公開されていない。「50人」という有料ユーザー数がどのくらいの期間で積み上がったのかも書かれていないため、成長速度は検証できない。

どこまで真似できるか

真似しやすいのは、モデル選択の判断基準そのものである。継続的に発生する業務か、決裁者が本人か、単価は月額数千円に収まるか——この3点は、アイデアの良し悪しとは独立にチェックできる。無料トライアルでクレームを構造的に潰す発想も、実装コストが低い割に効果が説明可能だ。

真似しにくいのは前提条件のほうだ。この開発者は6回リリースしており、当たったのは5作目である。1作目で数千円しか稼げなかった経験を経ても手を止めなかったことが、モデルを選び直す機会そのものを生んでいる。さらに、Webサービスを自作でき、2024年にはスクールを立ち上げて受講生100名超を集められる開発力と発信力がある。同じ月額4,000円のツールを作っても、初期ユーザーに届ける手段がなければ50人には届かない。

もう一点、Instagram運用支援というジャンルはプラットフォーム側の仕様変更やAPI規約に収益が直結する。記事ではこのリスクに触れられていないが、外部プラットフォームに依存したツールを月額課金で運営する以上、収益の前提が一夜で変わりうる構造は残っている。個人が単独で回すサブスクの、最も現実的な脆さはそこにある。

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出典

本記事は上記の公開情報の要約と独自分析です。 詳細は必ず出典をご確認ください。

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