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SuperX、5連敗して売上ゼロ。失敗を書いた投稿が20万表示、6ヶ月でMRR$23,000へ

5つのプロダクトが合計売上ゼロに終わったRob Hallamは、失敗を綴った投稿が20万表示され24時間で$3,000の受託を得た。顧客が全てXから来ていた事実を製品化したSuperXは、ローンチ初日にMRR$1,000、6ヶ月で$23,000に達した。

執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)

SuperX、5連敗して売上ゼロ。失敗を書いた投稿が20万表示、6ヶ月でMRR$23,000へ

月商345万円は、月商を公開している掲載227件のうち上位40%。掲載全体の月商中央値は157万円です(データ集計)。

5回外して、売上は合計ゼロだった

最初の会社員生活をレイオフで終えたRob Hallamは、そこから2年半をオンラインでのプロダクト作りに費やした。この期間にローンチしたプロダクトは5つ。合計売上はゼロである。1つも売れなかったのではなく、5つすべてが1ドルも生まなかった。

本人はこの時期を、金銭的な逼迫が「そこにいたことのない人には説明しづらい形で頭をおかしくする」と表現している。それでも彼が一貫して続けていたことが1つだけあった。うまくいっていない自分の作業を、X(旧Twitter)に投稿し続けていたことだ。

結果として現在、彼とTibo Louis-Lucasの2人で運営するSuperXは、ローンチから6ヶ月でMRR $23,000に到達している。この記事が扱うのは、その6ヶ月ではなく、その手前の2年半が何に変換されたのか、という部分だ。

数字を並べる

項目数字
MRRローンチ初日に**$1,000** → 6ヶ月後**$23,000**
有料顧客650人(月額$39)
成長率月次20〜25%
ローンチ2025年7月
体制2人(Rob Hallam + Tibo Louis-Lucas)
流入95%がXからのオーガニック
累計広告費$5,000のみ(約75万円)
無料トライアル→有料30%
主要固定費X API に月$2,000〜3,000(約30〜45万円)

1点、数字の整合を確認しておく。650人 × $39 = $25,350 となり、公表MRRの$23,000とは1割ほどの開きがある。年額プランの月割り計上、割引、期中解約を含んだ実績値と見るのが自然な範囲のずれで、桁の矛盾はない。

固定費のうちX APIが月$2,000〜3,000というのは見逃せない数字だ。MRR $23,000に対して1割強が、事業の生命線であるプラットフォームへの利用料として毎月出ていく構造になっている。

SuperXが売っているもの

SuperXは、Xでの投稿を分析・生成・運用するためのツールである。Chrome拡張とWebアプリの組み合わせで提供され、月額$39のサブスクリプションで課金する。

もともとSuperXという拡張機能は、共同運営者のTiboが買い取っていたプロダクトだった。Robはそこに合流し、プラットフォームを一から作り直した。決済をLemon SqueezyからStripeへ移し、X APIの制約と付き合いながら基盤を組み替えている。技術構成はNext.js、Node.js、Tailwind、SQLite、そしてClaude Codeという最小限のもので、PostHog、Framer、Screen Studioが周辺を固める。

つまりゼロからの発明ではなく、既存の小さな資産に自分の仮説を載せ替えた形だ。

潮目が変わったのは、失敗を書いた日

転機は明確に特定できる。自分の失敗について書いた投稿が20万表示された日である。

この投稿を起点に、Robは開発エージェンシーを始めると告知した。すると24時間以内に$3,000の案件が同じ投稿経由で決まった。売上ゼロの2年半のあとで、最初の売上が発生したのは、プロダクトからではなく、失敗を公開した文章からだった。

さらに重要なのは、その後に彼が気づいたことのほうだ。エージェンシーの案件が積み上がっていく中で、彼はこう認識する。

「クライアントは一人残らずXからインバウンドで来ていた」

案件はすべて、Xの投稿という同じ入口から入ってきていた。ならば売るべきものは受託の時間ではなく、その入口を作る仕組みそのものではないか——ここでバイラルな投稿のパターンを逆算し、コンテンツ制作を体系化するツールへと軸足を移す。SuperXはこの認識の製品化である。

before / after で言えば、2年半・5プロダクト・売上$0 から、投稿1本(20万表示)→24時間で$3,000→6ヶ月でMRR $23,000 への転換だ。変わったのは技術力でも資金でもなく、「どこから客が来ているか」を直視したことだった。

なぜ効いたのか、構造で分解する

表面的には「Xで発信を頑張ったら売れた」に見える。だがそれでは説明にならない。効いた要因は3つに分解できる。

売る前に観客が積み上がっていた。 売上ゼロの2年半は、経済的にはただの損失だが、Xのフォロワーと信頼という意味では在庫の蓄積だった。ローンチ初日にMRR $1,000が立っているのは、告知した瞬間に反応する人がすでに手元にいたことを意味する。この初日$1,000は、6ヶ月の成長のスタート地点を大幅に前倒ししている。

製品と販路が同一物だったことも大きい。 SuperXはXでの投稿を良くするツールであり、その販路もXの投稿である。Robは「コンテンツこそが流通(The content is the distribution)」と言い切っているが、これは標語ではなく構造の記述だ。宣伝投稿がそのまま製品のデモになり、成果が出ればそれが証拠になる。だから広告費が累計$5,000で済み、流入の95%がオーガニックになる。この一致がない事業では同じ数字は出ない。

残る一つは、投稿を運用として型にしたことだ。 彼は毎日の投稿を「エンタメ・弱さの開示 → 教育・デモ → 成果・鼓舞」という3段のループで回している。属人的なひらめきではなく、繰り返せる順序に落とし込んだ点が、月次20〜25%という継続的な伸びの下地になっている。加えて、テキストから動画へ形式を変えたところリーチが約10倍になった。プラットフォームが今どの形式を押しているか(Xは動画を強く配信している)に合わせて、中身ではなく容れ物を変えた判断である。

無料トライアルからの有料転換30%という数字も、この構造から素直に説明できる。すでに投稿で価値を見た人が試しているので、試用時点で興味の質が高い。

うまくいっていない部分と、抱えているリスク

明るい数字だけを並べるのはフェアではない。

まず、プラットフォーム依存が極端に高い。製品がXの上で動き、販路もX、そしてX APIに月$2,000〜3,000を払っている。APIの価格や規約が変われば、コストと機能の両方が同時に揺れる。流入の95%が単一チャネルであることは、効率の裏返しとして脆さでもある。

次に、5つの失敗は美談ではなく実損だ。2年半、売上ゼロの状態を金銭的に耐える必要があった。本人が語る精神的な負荷は、再現を検討する人が真っ先に見積もるべきコストである。

さらに、SuperXは彼がゼロから発明したものではなく、Tiboが取得済みの拡張機能を作り直したものだ。既存の資産と、それを持つ相手との協業が前提にある。

何が真似でき、何が真似できないか

再現しやすいもの。 顧客がどこから来ているかを実際に数えて、最も多い入口を製品化するという発想。投稿を3段のループとして型に落とし、毎日回すという運用。プラットフォームが押している形式(この時期は動画)に容れ物を合わせること。作り直せる小さな既存プロダクトを起点にすること。

再現しにくいもの。 2年半の投稿で積み上がった観客そのもの。ローンチ初日のMRR $1,000は、この観客がなければ発生しない。同様に、失敗を書いた投稿が20万表示に届くかどうかは制御できない。売上ゼロの2年半を金銭的に持ちこたえられるかは、各自の生活条件に強く依存する。そしてXが動画を優遇している、AIによる投稿支援の需要が立ち上がっているという時期の追い風は、後から同じ条件では来ない。

要するにこの事例が示しているのは「Xで発信すれば売れる」ではない。自分の売上が実際にどの入口から来ているかを数え、その入口を作る作業自体を商品にしたという一点である。Robは次の目標をMRR $100,000に置いている。

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出典

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